日立製作所<6501>は、従来の方式よりも、正常な細胞への影響を最小限に抑え、がん患部を集中して治療することが可能な「スポットスキャニング照射技術」を開発。陽子線治療システムにおいて、世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)の販売認可を取得した事を、26日発表した。
陽子線治療は、がん治療における放射線治療法のひとつであり、従来の電子線やX線などを用いた放射線治療と比べ、周囲の正常細胞に与える影響が小さいという特長がある。
日立によると、「スポットスキャニング照射技術」は、がん患部を照射する陽子線のビームを従来の方式のように拡散させるのではなく、細い状態のまま用いることで、複雑な形状をしたがんでも、その形状に合わせて陽子線を照射することができ、正常な細胞への影響を最小限に抑えることが可能になる。
同技術は、今まで困難だった、均一な品質をもったビームを取り出す技術と、ビームを高い精度で制御する技術を発展させることで可能になったものであり、世界最大級のがんセンターであるMDアンダーソンがんセンター向けに、開発された。
日立は今後、北米市場での陽子線治療システム販売において、この技術によって競合他社との差別化を図り、シェア拡大に努めていくという。